妊婦の葬儀参列について

葬儀は、結婚式と異なり、前もって予定をたてて行われるものではありません。
場合によっては、突然のことであり、参列出来るかどうか分からないものです。
仮に参列出来なくても、マナーに反しているわけではありません。
特に、女性で妊娠している方の場合は、葬儀に参列することが、良いのかどうか悩むところでしょう。

というのも、年配者の方々の中には「妊婦は葬儀に出ないほうが良い」と考える方が多いものです。
実際に、もしも自分がその立場であれば、縁起が悪い気がして、気後れすることがあるかもしれません。
昔から「お腹の子をあの世に連れていかれる」などという言い伝えがあり、妊婦さんは葬儀に行かないのがマナーだと言われる場合もあるようです。
しかしながら、亡くなった方が親しい身内の方ならば、大事な子孫の魂を連れていってしまうことなどありえないお話です。

あまり囚われず、気にしないのが一番良いのでしょうが、どうしても気になるのならば、鏡を向こう側に向けた状態で、腹帯に忍ばせておけば問題ないといういわれがあります。
これも迷信には違いないのですが、実際に葬儀参列の妊婦さんの多くは、このしきたりに沿って参列されているようです。

それでも、ご家族が反対するのであれば、参列するのは辞退されてもいいのではないでしょうか。
とりあえず、まず弔電を打ち、後日に自宅へお悔やみに伺っても、決してマナーに反することはありません。

葬儀は思っているよりも、心身が疲れやすいものですし、妊婦さんにとって、必ずしも良い状況とはいえません。
妊婦は葬儀に出てはいけないといういわれそのものも、或いは妊婦さんの体調を気遣ってできた迷信なのかもしれません。
妊娠中の極度な疲れやストレスは厳禁ですから、体調が優れないのならば、葬儀の方はご遠慮してはいかがでしょう。
そういう事情は、何よりご遺族も分かってくださるはずです。