褐色脂肪細胞と遺伝

肥満には色々な原因が考えられますが、遺伝による要因が30％、生活環境による要因が70％程度であると言われています。
食生活や運動不足など、肥満になりやすい生活環境については分かりやすいのですが、遺伝による要素が30％もあるのは少し驚きです。ちょっと悲しくなってしまいますよね。遺伝子による要因の１つに「褐色脂肪細胞」の働きの違いがあるようです。

褐色脂肪細胞は、基礎代謝をアップさせ、エネルギーの燃焼効率を高める働きをしてくれます。
ダイエットの強い味方である褐色脂肪細胞は、残念なことに年齢を重ねるごとに減少していきます。食事量には変化がないのに、年をとると肥満になりやすくなる原因の１つにはこの褐色脂肪細胞の衰えがあるわけです。

そしてこの褐色脂肪細胞の働きは、遺伝子によっても左右されるのです。
日本人の３分の１にあたる人は、褐色脂肪細胞に関係する遺伝子に先天的な変異があると言われています。
このような遺伝子を持つ人は、正常な遺伝子を持つ人と比較すると、基礎代謝量が約200kcalも低く、やせにくい体質になっているようです。

ほとんど同じような生活で暮らしているのに、太りやすい人とそうでない人がいるのは、このような遺伝子の影響が作用しているのですね。
ですが、太りやすい人もすべてが遺伝子の影響なのだと諦めないでくださいね。
褐色脂肪細胞は、水泳をしたり、温度差のあるシャワーで直接刺激することにより活性化して、その働きをアップさせることができます。

太りやすい人もそうでない人も、食生活にはよく気をつけ、適度な運動をしながら健康的な生活を送るように心がけましょう。